歯の病気においてもっとも大切なのは

歯の病気においてもっとも大切なのは

むし歯や歯周病といった歯の病気は、一度かかってしまうと、元に戻すことはできません。傷んだ部分を削って詰め物や被せ物をしたりして、「これ以上悪くならないようにする」という対症療法しか手段がありません。
また、保険適用の歯の詰め物は約5年が寿命とされています。予防治療に対する意識が低いと、何回治療をしてもまた病気を再発してしまい、治療を繰り返しているうちに、最後には歯を失ってしまいます。

ですから、歯の病気においてもっとも大切なのは、「そもそも病気にかからないようにする」という、予防の取り組みなのです。
当院では、歯科治療に来院された患者さまに対して「自分の歯でずっとものが食べられるように」との思いから、予防治療への取り組みを啓発しています。

ご家庭の歯ブラシだけでは歯垢は完全に落とせません

ご家庭の歯ブラシだけでは歯垢は完全に落とせません

むし歯や歯周病は、細菌の感染によって起こります。むし歯や歯周病の発症を予防したり、病気の拡大を防ぐには、何よりも細菌の除去が必要となります。

しかし、ご家庭での歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間や、歯と歯肉の境目に付着した歯垢(プラーク)を完全に落とすことは困難です。歯垢が溜まると、そこから次第に「バイオフィルム」というネバネバした汚れが発生し、この中に棲み着いた細菌が、むし歯や歯周病を引き起こしたり、口臭などのさまざまなトラブルの原因となります。
そういった事態になる前に、歯科医院でのPMTCを受けましょう。

PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningが略された言葉で、プロの歯科衛生士による、機器を用いた歯面清掃のことです。それにより、ご家庭ではなかなか取り除くことのできない汚れを完璧に除去します。
PMTCにより、バイオフィルムを除去してむし歯や歯周病を予防することはもちろん、歯の表面の着色もなくなるため、表面がピカピカになり、爽快感も得られます。
当院のPMTCは、熟練の歯科衛生士が丹念に作業いたします。

PMTCの効果

歯質の強化

研磨用のペーストにはフッ素が含まれていて、歯の表面の再石灰化(カルシウムの補給など)を促します。それにより、歯のエナメル質が強化できます。

むし歯の予防

菌の巣であるプラークを取り除き、バイオフィルムを破壊して再付着を防ぎ、むし歯を予防します。

歯周病、歯肉炎の改善や予防

歯の表面や歯肉表面、歯肉の中にあるプラークを除去することで歯肉が引き締まり、歯周病や歯肉炎が改善されます。

審美的効果

歯の表面に付着した茶渋やタバコのヤニなどの着色を除去できるので、光沢のある歯になります。

定期検診の大切さ

当院では、来院された患者さまに歯の定期検診をおすすめしています。

定期検診のメリット

  • むし歯や歯周病の予防が可能
  • 早期治療ができる。治療時の痛みも軽減できる
  • 治療時間が短縮される
  • 自分ではなかなか気付けない、歯や口内の状態(噛み合わせのズレなど)を発見できる

痛みの少ない治療のために

痛みの少ない治療のために

当院では、歯を削る部分はなるべく小さく、また歯の神経もなるべく抜かないなど、治療は可能な限り最小限にとどめます。
歯を削ると、その部分は二度と元には戻りません。神経も同様で、神経を抜くと歯はもろくなります。

しかし、症状によっては、神経はかえって取った方がいい場合もあります。その場合は、患者さまのご希望を尊重した上で、最適なアドバイスを差し上げます。

治療後のフォロー

むし歯の治療では、歯を削ったり被せものをしたりして、症状がこれ以上悪くならないような処置を行います。
その後、治療した部分が悪くなるか、現状を維持できるかは、患者さまご自身の意識に大きく左右されます。保険適用の歯の詰め物は、約5年が寿命とされていますが、それはあくまで目安でしかありません。

患者さまが、治療前と同じような生活を繰り返し、お口の中が不衛生なままでいるなら、早期に再発する可能性は高いでしょうし、別の場所からむし歯が発症する可能性もあります。
そうならないために、ご自宅での磨きを欠かさず、3カ月から半年に1回は、歯科医院で検診を行うようにしましょう。
予防の意識が高い方であれば、治療した歯の寿命を大幅に延ばすことが可能です。

むし歯で神経を抜いてしまうと・・・

むし歯治療で神経を抜くと、その歯は、実質的に死んでしまった状態になってしまいます。そのため、もろくなるので歯そのものの寿命が短くなり、そのうち抜歯せざるを得なくなります。
当然のことながら、抜歯をすると噛み合わせが悪くなって健康面にさまざまな影響が出てくる可能性があります。